B side of Ichiro S.

Ichiro S's photologのB面

写真家たちのことば

Ikebukuro / Tokyo, May 2013, Leica M4-2 / Summilux 35mm f1.4, 400TX@SPD

 

id:takahiro91 さんのこのエントリのコメ欄のやりとりが面白くて、自分の写真に対する考えでも書こうかと思って久々にこちらのブログを開いてみました。

・・・が、私が自分語りが苦手なのと、そもそも自己評価・分析があまり出来ていないので(汗)、代わりに私が影響を受けた「写真家達のことば」を紹介してみようと思います。

 

写真家の方々は芸術家と同じ様に頑固で風変わりで気むずかしい方が多い印象ですが、こと写真に限っては長年の経験から構成された独自の哲学を持っている事がとても多いです。

 

気まぐれでもこのエントリを開いて頂いたのもきっと何かの縁でしょうし、一癖も二癖もあるけど腑に落ちるとずしんと重い、「写真家達のことば」にちょっと耳を傾けてみませんか?

 

1.ゲイリー・ウィノグランド

"私は写真のなかにメッセージを込めない。私にとって写真の本来の仕事は、フィルム上にちょっとした現実(それが何であろうとも)を捕らえることだから。

もし、後になって、その現実が誰かほかの人にとって何か意味を持つことになるなら、ますます結構だ。"

 

"写真とは撮影されたものについて語ることではない。撮影されると「どのように見えるか」が問題である。"

 

2.リー・フリードランダー

"私の作品を見た人がさまざまな印象を受けるということに魅了される。私は前もって熟慮するタイプの写真家ではない。撮りたい光景に出会ったら、さっとものにする。機会があれば、私はいつだって外に出て写真を撮りたいと思う。"

 

"撮るものを探しに行く必要はない。材料はそこらじゅうに転がっている。外に出れば、撮ってくれとばかりに向こうが君を見つめている。"

 

 

3.ロバート・フランク

"私の写真は前もって計画したり構図を決めて撮ったものではない。写真を見る人が共感してくれるのを期待することもない。しかし、もしも私の写真が見る人の心になにかイメージを残すとしたら、そのとき何かが成し遂げられたと私は感じる事ができる。" 

 

 

4.アンリ・カルティエ=ブレッソン

 "私にとって写真は「永続する」視覚的注意からくる本能的な衝動で、瞬間と永遠を捉えるものである。"

 

5.木村伊兵衛

"写真っていうのはねぇ。いい被写体が来たっ、て思ってからカメラ向けたらもう遅いんですよ。その場の空気に自分が溶け込めば、二、三秒前に来るのがわかるんですよ。その二、三秒のあいだに絞りと、シャッタースピード、距離なんかを合わせておくんです。それで撮るんですよ。"

 

6.土門拳

"スランプを打開するには、新鮮な今までとはちがった、新しい刺激を得るよりしようがない"

 

 

7.森山大道

"歩け。とにかく歩け。それから、中途半端なコンセプトなどいったん捨てて、なんでもかんでも、そのとき気になったものを、躊躇なく すべて撮れ。"

 

"街中でカメラを手にしていると、確かに何となく一定の方向に「何かがある」と感じることがある。だから、その方向にカメラを向けてシャッターを切る。もしかすると、そうした行動を「直感を頼りに行動する」と表現するのかもしれない。 ”

 

8.ロベール・ドアノー

"写真を撮るときは、無駄なおしゃべりをするな、メモを取るな、自分を分析するな、そしていかなる質問にも答えるな。"

 

 

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いかがでしたか?

 

ウィノグランド、フリードランダー、フランクの三名は所謂「コンテンポラリーフォト」に分類される写真家ですが、やはり写真に対して「偶然性」を強く求めているのが分かります。(彼らは特に私が強く影響を受けた写真家達でもあります)

 一方、ブレッソンや木村伊兵衛などいわゆる伝統的なスナップフォトグラファーは瞬間の中に必然性を見いだしているようにも読み取れて、前述の3名とは対照的なのが面白いですね。(ブレッソン氏の他の言葉は以前のエントリも参考にして頂ければと思います)

 

それぞれの写真家の写真を観ながらこれらの言葉を思い出すと、どういう心境でシャッターを切ったか?などと想像力が膨らんで、より一層写真を楽しめると思います。

 

他にも名言、格言がまだまだありますが、また機会があればご紹介したいと思います。