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B side of Ichiro S.

Ichiro S's photologのB面

機材紹介:Canon L3

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手持ちのキヤノンのL3型を紹介します。
キヤノン社は当初、他の国産カメラメーカーと同様にバルナック型ライカのコピーカメラを作って名声を得てきました。この年代はちょうどライカがバルナック型からM型に切り替わり、ニコンを含む多くのメーカーは距離計カメラの製造でライカの技術力に追いつく事を諦め、一眼レフカメラに移行していった時期ですが、キヤノン社は諦めずに距離計カメラを開発し続け、後にRFの名機Canon7を生み出します。


さてこのL3ですが、年代的には1957年頃、世代としてはCanonV型(5型)と呼ばれる世代の中でもっとも価格の安いモデルです。ライカは既にM型に移行していますが、このカメラはL39スクリューマウント、所謂ライカLマウントを採用しています。Mマウントを採用しなかったのは技術的な問題だけでなく、パテントの問題やそれまで製造してきたレンズ資産を無駄にしたくないという意図があったと言われています。


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さてこのカメラ、操作系統はバルナック型ライカのそれと似ています。シャッター幕は布製横走りのフォーカルプレーンで、最高速度は廉価版のためか1/500までしかありません。シャッター関連で面白いのは、シャッタースピードはシャッターをチャージしてからセットすること、1/30以下のスローシャッターは、ボディ全面にあるスローシャッター用のスピードダイヤルでセットすること、シャッターチャージ時にシャッタースピードダイヤルが一緒に回ることです。シャッター音は流石にライカのように静粛ではありませんが、小気味よい音です。


この頃のキヤノンRF機はファインダー構造も特徴的で、複数の倍率のファインダーをダイヤルで切り替えてしまうというものです。おそらくM型ライカのようなブライトフレーム表示をコピーするのが技術的に困難であったのと、一方で旧世代の様にピント合わせ用と構図作成用のファインダーを両方備えるのでは商品としての訴求力が足りないための折衷案だと思いますが、これがなかなかよく出来ています。ファインダーの見え方自体は流石にM型には及びませんが、バルナックライカの最終型(III型)と同程度のレベルには達していると思います。ただ、年代的に個体差は大きいとは思います。


フィルムの装填方法は、ライカコピーから脱却し、横開きのバックドア方式で、スプールにフィルムのベロを噛ますだけの所謂フィルム一眼レフと同じ方式になっています。一方、巻き上げはクランクでは無くダイヤルノブなのでちょっぴり苦労します。


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操作感ですがやはりライカと比べてしまうと少し洗練度が足りない部分はありますが、しっかりと作られているので全ての動作がカッチリとしており、オールドカメラにありがちな頼りなさ、不安感は皆無です。現代のカメラにはなかなかない美しい梨地クロームボディ、所作がスパッと決まる気持ちよさ、そこそこ軽量なボディが魅力なカメラです。ややこしい作法も無く扱いやすい上に値段も安く、状態の良い物さえ見つかればRF入門機にはちょうど良いかも知れません。
※ちなみに私の保有している個体ですが、レモン社新宿店でなんと9000円弱で手に入れました。


このカメラの詳細に関してはこちら、このカメラで撮った拙作の写真はこちらです。