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B side of Ichiro S.

Ichiro S's photologのB面

撮影方法とポストプロセス(フィルム編)

前回約束してしまったのでフィルム編もやります。
デジタル編と同じく大した事はしていません。長文ですがあまり期待せずおつきあい下さいませ^^
なお、ここで書かれている手順は135フィルムを前提としていますが、ブローニーもほぼ同じ手順です。
フィルムRF機とモノクロ写真の魅力に関してはここでは伝えきれないのでまたいずれ書きますね。

1.フィルムの選択

モノクロがメインです。消耗品なので、量販店で直ぐ手に入り且つ値が張らないものを使います。また、専用現像液が入手しづらいフィルムや、カラー用現像液を使用する物は除外します。対象となるフィルムは下記の通りです。

  • Kodak
    • T-Max 100(100TMX)
    • T-Max 400(400TMY)
    • Tri-X 400 (400TX)
  • Fuji film
    • Neopan Acros 100
    • Neopan presto 400
    • Neopan SS 100 (既にディスコン、在庫のみ)
  • ILFORD
    • PAN F Plus 50
    • PAN F Plus 400
  • Kentmere
    • PAN 100
    • PAN 400

この中でも、自分はFuji filmの二種類かKodakの100TMX、400TXを主に使用します。使い分けですが、主に晴れた昼間の場合は感度(E.I.)100のものを、夕方以降あるいは荒天では感度400のものとしていることが多いです。また、解像度が高めな現代的な写真が欲しいとき、レトロな感じが欲しいときでも使い分けています。それぞれのフィルムの特徴なんかはそのうち取り上げようかなんて思ってますが、ざっくりと書き留めておきます。合わせて、id:motosix さんのこの辺も参考になると思います。(Kodak編はまだですか?w)

  • 100TMX:暗部の階調が広い。シャープ。専用現像液で現像するとクセが無く粒子が綺麗。フジと比較するとコントラストが強く硬調。レトロな400TXと比べると現代的。
  • 400TX:粒子は粗いが並びが美しい。階調はつぶれ気味だが、独特の暖かみがある。スカッと抜けるコントラストが気持ちいい。増感してざらっとした味わいも良い。
  • Acros 100:超微粒子でかつ解像感が高い。(おそらく入手できるうちではNo1)階調が広くグレー/シルバーのトーンが綺麗に出る。力強いKodakに対して繊細なFuji filmという印象。
  • Presto 400:こちらも軟調気味。Acrosには負けるがE.I400なのに100TMXに匹敵する微粒子。コントラストが強めに出てしまう現代のレンズでコントラストを抑え気味に撮るのにはちょうど良い。

この中でも、初めて手にしたモノクロフィルムというのもあり、400TXには特に思い入れが強いですね。あとラティチュードの広さからFuji filmは現像時に扱いやすい印象です。

2.フィルム装填

当たり前ですが事前にフィルムを購入し、カメラにセットします。手持ちのフィルム機はGR10を除き全てマニュアルワインドなので、フィルムのパーフォレーション(ギアに挟まる穴)とギアがちゃんとかみ合っているか、シャッターチャージした時にに変な反発が無いか、巻き上げノブ/クランクが動くかどうか、スプールに遊びが無いかどうか、といったあたりを入念にチェックしておきます。135mmフィルム使用のカメラ、特にライカ系はこの辺りの所作が確実で、ポイントさえ外さなければまずおかしな事にはなりません。

3.撮影

基本的に前回ご紹介したデジタル編とほとんど変わりません。というより、デジタルの撮影方法はフィルムカメラで身につけた方法の延長線上なのです。基本的に露出と距離を弄りながらシャッターチャンスを探し、撮影時はピント微調整の後ズバッと切る!です。
フィルム機の場合、フィルムがジャムったり等のメカトラブルが起こりえるので、シャッターチャージ時に変な感触が無いか、フィルムの遊びが無いか、といった辺りに多少気を配ります。
また、よく晴れた日などはレンズを長時間太陽の方に向けるとシャッター幕が焼けてしまう事があるのでその辺りにも気をつけています。
後は、これはデジタルもフィルムも関係ありませんが、やはりカメラ/レンズを愛すること、大切にする事は、ここを見に来てくれる方々には言うまでもありませんね^^

4.現像

現像はその手法だけで一冊の本が書けてしまうくらい奥が深いのと、私が自らの手法をまだまだ研究段階にあるので、ここでは深く言及しません。共通して行う処理だけ簡単に記述します。

4-1.フィルム抜き出し~タンクへセット

エツミ製のチェンジングバックとLPL製の現像タンク(プラスチック、2本仕様)を使用しています。チェンジングバックにフィルムピッカーでベロだししたフィルム、ハサミ、現像タンクを放り込み、まずフィルムを全部抜き出しパトローネから切り取ります。このとき、切断面がパトローネと平行になるよう気をつけます。
フィルムの切断が終わったら、フィルム切断面からリールに巻いていきます。一旦フィルムを抜き出す理由は、フィルムはパトローネ内部に行くほどカールの抵抗が強いので、リールにセットするときに抵抗の強い方から噛ませた方がスムーズにリールへセット出来るからです。(という気がする)

4-2.薬品の準備

現像液、停止液、定着液を適量用意します。1Lビーカーを3つ並べ、分かりやすく左から現像→停止→定着とプロセスの順番に並べます。
現像液は希釈し、適温に調整します。と、言葉にすると簡単ですが、温度管理は意外と大変です。特に温度が直ぐに下がってしまう冬場は現像時間を少し延ばすなどの対処が必要です。現像液は基本的にKodakのT-Maxデベロッパー、D-76、Fuji filmのミクロファイン、スーパープロドールのいずれかを使用しています。
停止液は自分は専用液を使わず水を使っています。(だって臭いんだもん)これは賛否両論在るのですが、しっかり攪拌すれば現像=化学反応はちゃんと停止すると思っています。
定着液はある程度現像液と同じ温度に調整します。が、定着液を使うのは停止の後なので、温度調整は現像液を入れ始めてからの待ち時間にやっています。
その後のプロセスの為にタイマー・ストップウォッチを用意します。ちなみに私はスマホアプリを使っています。

4-3.現像

タンクに現像液を流し込み、攪拌していきます。自分は最初の1分は攪拌しっぱなし、その後50秒経つ毎に10秒間攪拌というスタイルです。現像時間はデータシートにある使用フィルム/現像液/希釈割合で書かれている内容と季節・温度による微調整を行います。データシートにないものは似た様なフィルムのデータから比率で計算したり、ネット上のレシピを探したりします。ここが正に現像のノウハウであり終わりの無い研究対象です。

4-4.停止

現像プロセスの時間が終わると同時に現像液を廃棄し、停止液=水を流し込み、1分半攪拌します。

4-5.定着

停止が終了したら停止液を廃棄し、定着液を流し込みます。定着液は最初は1分間攪拌し、その後は現像と同じく50秒毎に10秒間攪拌します。尚、定着時間はフィルム・現像液に関わらず10分固定でやっています。(経験上、ここに拘ってもあまり変化が無い気がするので)停止の最初の1分は親指の付け根が攣りそうになります。私はここの筋肉を勝手に現像筋と呼んでます。
定着の待ち時間に現像液を使ったビーカーを洗い、次のプロセスに必要な薬品の水洗促進液、ドライウェルを空いた二つのビーカーに適量で用意しておきます。
尚、定着液は再利用可能なので定着が終わり次第定着液に使用したビーカーへ戻し、更にボトルへ戻します。この時点で現像の化学反応は終わっているので、のんびりビーかを洗ったりトイレ休憩をしても構いません。

4-6.水洗

水洗促進液を使用する場合の流れは、予備水洗30秒、水洗促進液1分、水洗5分です。
まず水をビーカーに流しっぱなしの状態で現像タンクから抜き取ったリールをザブンと30秒浸けちゃいます。
30秒経ったら、リールをタンクに戻し、水洗促進液をタンクに入れ、1分放置します。その後、再度リールをビーカーに戻し、5分間水を流しっぱなしにします。水洗促進液は再利用できるので、一旦ビーカーに戻した上で、ボトルへ戻します。

4-7.ドライウェル

ここは省いても構いませんが、フィルムのカールが比較的ピンとする、乾きが早くなる、現像ムラが減る気がするので私は欠かさずやっています。ビーカーに用意したドライウェルをリールを戻した現像タンクに流し込み、30秒放置するだけです。ドライウェルも再利用可なので定着液と水洗促進液と同じ手順でボトルへ戻します。

4-8.乾燥

全ての手順が終わったらタンクごと乾燥するスペースへ持って行き、いよいよリールから抜き取ります。正に緊張の一瞬です。
リールから素早く抜き取り上下をクリップ留めし、吊します。乾燥場所は出来るだけ埃の少ない場所が良いと思います。フィルムを吊したら下に新聞紙などを引き、スポンジでフィルム面に貼り付いた液体を拭います。ドライウェル使用時のスポンジ拭き取りにも賛否両論がありますが、私の場合精神衛生上拭き取るほうが安心感があります。意味ないじゃんというツッコミもあると思いますが・・・
乾燥時間は季節にも依りますが、だいたい1時間くらいです。

5.スキャン

スキャナーはMINOLTA Dmage Scan Dual IIという年代物のフィルムスキャナを使用しています。専用機の方が解像度やホコリ混入を抑えるというの面で、フラットベッドスキャナーより有利だと思います。
編集用手袋をはめ、乾燥済フィルムを6コマ毎にペーパーカッターで切断し、一旦ネガシート入れます。このとき水垢などが付着していた場合はスクラッチに気をつけながら軽く拭き取るなどの処理を行います。
フィルム切断後は順次ホルダーにセットし、スキャンしていきます。このとき、必ずしつこいくらいブロアーでホコリを退治します。フィルムスキャンは正にホコリとの戦いです。我が家のスキャナー君は今時USB1.0なので、フィルムセット後がお酒でも飲みながらTVでも見ながらのんびりやってます。
尚、スキャナーソフトはVueScanって奴を使っています。設定は入力は64bitカラー、小間切りは自動、出力は16bitモノクロDNG出力、解像度は2880DPI、多重露光ON、1Pass、輪郭強調なし、現像具合により多少明るさを弄ります。

6.取り込み後のポストプロセス

Lightroom4を使い、まず四隅のトリミングを行います。その後、ホコリの付着した箇所やスクラッチなどを入念にレタッチします。この処理が仕上がりを左右すると言っても過言ではありません。トーンの調整は美味しいところをスポイルするので極力避けたいところですが、スキャンの具合により多少の輪郭強調、露出感のずれを補足する程度のコントラストや露出調整、黒レベル調整なんかはやります。モノクロ写真の美しい階調を堪能して悦に入る時間でもあります。まあ自己満足ですが^^
修正後のメタ記述やアップ手順はデジタル編と同様です。


以上がフィルム編になります。私なんぞのノウハウのかけらも無いTipsに長々とおつきあい頂きありがとうございます。そこ、おかしくね?とかこうやった方が良いよ!的な貴重なご意見はどんどんお寄せ頂けると幸甚でございます。